2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540148
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武村 一雄 日本大学, 生産工学部, 助教 (60367216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀高 惟倫 大阪大学, 基礎工学研究科, 名誉教授 (00047218)
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Keywords | グリーン関数 / 再生核 / ソボレフ不等式 / 最良定数 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続きn階フルヴィッツ型微分作用素に対応したソボレフ型不等式の最良評価を得た。具体的には,ヘビサイド・トムソンケープルの時間周期境界値問題に対応するソボレフ型不等式の最良定数およびそれを達成する最良関数を求めた。ソボレフ不等式の物理的意味は,交流電流である出力電圧の絶対値の最大値の2乗を入力電圧のパワーで上から評価するもので,従来の入出力評価とは違う新しい評価式となっている。最良定数はグリーン関数のL^2ノルムの2乗に等しく,最良定数と最良関数はいずれも固有値を用いて表現できる。本結果については,現在論文を投稿中である。 連続版のソボレフ不等式の最良評価と平行して進めてきた離散版のソボレフ不等式の最良評価に対して結果を得た。具体的には,離散版マイナスラプラシアンに対応するソボレフ不等式の最良評価を正多面体(正四面体,正六面体,正八面体,正十二面体,正二十面体)の場合に計算することができた。いずれの場合も離散熱核を定義し,そのラプラス変換によりグリーン行列,擬グリーン行列を計算する。このグリーン行列,擬グリーン行列の対角成分の最大値が,連続の場合と同様,離散版ソボレフ不等式の最良定数となり(正多面体の場合は対称性によりどの対角成分も同じになる),最良定数を達成するベクトルは,グリーン行列,擬グリーン行列の各列ベクトルとなることが分かった。 本結果は今後の離散版ソボレフ不等式の研究を行う上での足がかりとなる結果といえる。 本年度得られた以上の結果は論文としてまとめた。また,それぞれの内容に関連の深い国際会議で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度得られた結果は,交付申請書に記載した目的に沿った離散版のソボレフ等式に対する一定の結果といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた正多面体に対する離散版ソボレフ不等式の最良評価は,今後有限グラフ上の各種離散版ソボレフ不等式の最良評価へと研究を行う予定である。
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Research Products
(3 results)