2009 Fiscal Year Annual Research Report
代数的局所コホモロジーの代数解析と非孤立特異点の計算複素解析
Project/Area Number |
21540167
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田島 慎一 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (70155076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 弥生 近畿大学, 理工学部, 准教授 (60388494)
松井 優 近畿大学, 理工学部, 講師 (10510026)
小原 功任 金沢大学, 数物科学系, 助教 (00313635)
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Keywords | 代数的局所コホモロジー / D-加群 / 局所b-考関数 / スタンダード基底 / Tjurina数 / レゾルベント / スペクトル分解 / 最小消去多項式 |
Research Abstract |
代数的局所コホモロジーとD-加群の理論を用いることで,以下の研究を行った. ・孤立特異点を持つ超曲面に対し,特異点におけるヤコビイデアルの冪級数環でのスタンダード基底を求める方法について中村・鍋島らと共同で研究した.パラメータ付きの代数的局所コホモロジーを用いることで,定義多項式がパラメータを含む場合に対して,スタンダード基底を求める方法を確立しそのアルゴリズムを数式処理システムに実装した.このアルゴリズムは,特異点の変形問題等,さまざまな問題を具体的に解析する際に用いることができ今後の計算複素解析学の展開において重要な役割を果たす. ・代数的局所コホモロジーと偏微分作用素を用いることで,局所b-関数の研究をおこなった.中村氏との共同において,孤立特異点と局所b-関数の関係を解析する新たな計算方法を提案した. ・代数的局所コホモロジーを用いて,ミルナー数を一定に保つような孤立特異点の変形問題を研究した.チュリナ数がパラメータにどの様に依存し変化するかを求めるための新たな計算方法を確立した.この方法はkodaira-Spenser写像を利用しない.計算効率が良いのみならず数学的構造を解析する際に有効である点が重要となる. レゾルベントの代数解析を行い,以下の研究をおこなった. ・微分作用素を用いることで,行列のスペクトル分解をexactに求める方法を確立した. ・行列の最小消去多項式と最小多項式を求める新たな計算手法を考案した. ・小原氏と共同で,これらのアルゴリズムが並列化可能であることを明らかにした. ・行列の固有ベグトルをexactに求める新たな計算手法を考案した
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