2009 Fiscal Year Annual Research Report
領域の位相的性質に依存する流体及び電磁気現象の数学的構造の解明
Project/Area Number |
21540179
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
柳沢 卓 Nara Women's University, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (30192389)
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Keywords | 分解定理 / Navier-Stokes方程式 / 境界値問題 / Div-Curl lemma / 流体力学 |
Research Abstract |
1.定常Navier-Stokes方程式に対する非斉次境界値問題の解の存在を証明する際に重要な役割を果たす「Lerayの不等式」の成否について,次の点を明らかにした:ある幾何学的条件を満足する3次元以上の有界領域においては,Lerayの不等式が成立する為の必要十分条件は,各境界成分上でのboundary flux積分がゼロとなることである. 証明においては,回転群に関するHaar測度を用いた竹下氏による方法を用いた. この結果は,以前我々が3次元有界領域に対して行った議論中に含まれていたテスト関数の構成に関する不備を訂正し,更にその主張を3次元以上の有界領域に対するものへと一般化したものとなっている. 本研究における種々の考察から,幾何学的条件を満たさない一般的な領域に対しても同様の主張が成立する可能性が高いことが推測でき,今後の研究方針への重要な示唆を得ることができた.また,この結果に対するHaar測度を用いない初等的な別証明が与えられないか,という新たな研究課題も見出すことができた. 2.以前示した,大域的Div-Curl Lemmaにおけるdiv, rot作用素を,あるcancellation Propertyを持つ一階偏微分作用素の組に一般化出来ることが分かった.この一般化によって,境界つきn次元Riemann多様体上での大域的Div-Curl lemmaを得ることができた.同時に,大域的Div-Curl lemmaに対する見通しの良い簡潔な別証明を与えることもできた.
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Research Products
(14 results)