2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540218
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
中津 了勇 摂南大学, 理工学部, 准教授 (10281502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 金久 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (40171433)
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Keywords | ランダム平面分割 / 可積分性 / 量子トーラス / 変形KP階層 / 熱力学極限 / 超対称ゲージ理論 |
Research Abstract |
比較的古くから組み合わせ論の比較対象であったランダム平面分割は、近年、超対称ゲージ理論の低エネルギー厳密解(サイバーグ・ウィッテン幾何)、グロモフ・ウィッテン不変量、ミラー対称性などとの関連が見出され、数理物理の新たな研究対象になっている。さらに、最近、可積分系とのつながりも見出されている。ランダム平面分割における可積分構造と幾何学的構造について、すでに同定されいる量子トーラス対称性などを用いて、そのさらなる理解と応用を現実的に追及することが、この研究の目的である。本年度は、5次元超対称非可換ゲージ理論(U(N)ヤング・ミルズ理論)のネクラソフ分配関数、ならびにボーア・プラサド・ゾンマーフェルト条件(BPS条件)を満たすウィルソン・ループ演算子の相関関数の母関数(5次元ネクラソフ分配関数の拡張に相当)に対する、外部ポテンシャルを導入することによって拡張したランダム平面分割を用いる再現・導出と、変形KP階層のN-簡約(ドリンフェルト・ソコロフ階層の一種)にもとづく可積分構造の視点から拡張ランダム平面分割の記述する無限格子の1次元戸田階層の特殊解の関係を理解することを進めた。研究開始当初の予想とは異なる可能性が生じたので、その修正・収束を行った。5次元超対称U(N)ヤング・ミルズ理論の拡張されたサイバーグ・ウィッテン幾何を記述する熱力学的極限の詳細を詰めた。この問題とも関係して、フルビッツ数の母関数の漸近挙動に現れる可積分構造の場合にならって、ランダム平面分割の熱力学的極限を無分散戸田階層の解として記述した。
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