2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540222
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三沢 正史 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40242672)
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Keywords | 調和写像流 / 調和写像 / 正則性 / 特異性 / 漸近解析 / 幾何学的変分問題 |
Research Abstract |
研究代表者三沢は,調和写像流の正則性条件の改良について研究した.1. 平均振動ノルムが小さいという条件のもとで弱解の正則性とくにヘルダー連続性を証明した(論文投稿中).2. この条件をもとに解の特異点集合のサイズ(ハウスドルフ測度)がlogオーダー分小さくなることが期待できるが,これを証明するために解の平均振動ノルムのスケール半径に関する単調性評価を考察した.同時に,解の特異点周りでの漸近挙動に関して,解の特異点の時空のスケール変数に関する爆発の速さを研究した.これらにもとづき,空間2次元の場合に自己相似的な解の爆発は起こらないことを考察した.現在,進行中である.3. また,これに関係して昨年来,非圧縮粘性流体の運動を表すナビエストークス方程式の弱解の正則性条件を解の平均振動で与えることも研究中である.4. 調和写像流の非線形項のある種の行列式の構造に注目して,外力がLp空間,Hardy空間,有界平均振動の関数である場合に,放物型方程式系の解の正則性評価を研究した.解の基本解表示を使わずに局所エネルギー評価とスケーリング則を使って証明でできるところが特徴である.5. 熊本大学の当研究室の大学院生との共同研究により消散型波動方程式に関する論文を投稿中である.解のHardy空間での評価の問題から派生した結果である.6. 月一回土曜日,熊本大学応用解析セミナーに関連研究者を招き,研究打ち合わせおよび情報交換を行った.当セミナーでの講演は報告集にまとめられている.また,京都数理解析研究所,九州大学,広島大学,東北大学,東京大学,静岡大学において関連研究者と研究打ち合わせを行った.昨年度の科研費により招聘したイタリア・ナポリ大学数学科のNicola Fusco教授から招聘を受け,イタリア・ピサ高等研究所で関連研究者と研究打ち合わせを行い,ナポリ大学数学で以上に関連する研究結果について講演した。
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