2009 Fiscal Year Annual Research Report
多波長観測による銀河リッジX線放射の起源天体の研究
Project/Area Number |
21540249
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
海老澤 研 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 教授 (70421857)
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Keywords | X線γ線天文学 / 光学赤外線天文学 |
Research Abstract |
X線、近赤外線を用いて、銀河リッジX線放射の起源天体の研究を行った。X線ではすざく衛星、Chandra衛星を用いた。赤外線ではすばる望遠鏡と南アフリカのIRSF望遠鏡を用いた。 すざく衛星を用いて、それまでよく知られていなかった銀河系内天体、XSS J12270-4859,HESS1809-193のデータを解析してその性質を明らかにし、査読付き論文として出版した。XSS J12270-4859は、銀河リッジX線放射の起源天体である激変星(白色矮星連星系)と考えられていたので観測したが、詳細にデータを解析した結果、白色矮星と言うより、ブラックホール候補のような性質を示すことがわかった。HESS1809-193は、TeV領域で発見された天体であるが、X線で調べた結果、Pulsar Wind Nebulaらしいことがわかった。これらの天体がただちに銀河リッジX線放射の起源と考えられる訳ではないが、銀河面上には今まで考えられていた以上に、多様なX線源があることがわかった。 また、銀激変星のひとつ、Z Camをすざくで観測し、そのアウトバースト直前の性質を調べ、学会で発表した。Chandra衛星が銀河面上、銀緯28.5度の領域で発見したX線源をすばる望遠鏡搭載のMOIRCSを用いて赤外線分光観測を行い、それによって起源天体を明らかに、学会で発表した。また、Chandra衛星が銀河バルジ領域で深観測を行った領域を、IRSFで測光観測、赤外線同定を行い、学会で発表した。さちに、銀河リッジX線候補天体の赤外線同定を進めるため、IRSFにて新たなデータを取得した。これらの結果のレビューとして、国際学会にて二回の招待講演を行った。
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Research Products
(9 results)