2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540318
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上羽 牧夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30183213)
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Keywords | 結晶成長 / 表面・界面物性 / 自己組織化 / 統計力学 / 化学物理 / カイラリティ転換 / ステップパターン / 対称性 |
Research Abstract |
1. 結晶化におけるカイラリティ転換について,クラスターサイズの分布関数を取り扱うモデルによってクラスター結晶化によるカイラリティ転換の条件と循環系での定常的カイラリティ転換の可能性を調べた.その結果,サイズとともに反応率が大きくなることが必要であることが示唆された.定常状態は循環率の上昇によって,非カイラル分子系では連続的に,カイラル分子系では1次転移的に非カイラル状態に転移することが分かった 2. SrT_iO_3の原子レベル平坦面にたくさんの原子を散布することで観測されたスピノダル分解類似の緩和現象を,格子モデルのモンテカルロシミュレーションで,次近接相互作用やエッジ拡散をふくむ一般化したモデルを用いて研究した.実験では3段階からなる緩和現象がみられるが,シミュレーションでもパターンの上ではこれを再現することに成功し,定量的な解析ができた.しかし,実験で見られる異常に速い後期緩和過程は理解できていない 3. Ga原子を蒸着したSi(111)微斜面で,ステップが不安定化を起こし櫛型になる非常に変わったパターン形成現象が発見されている.この系のモデルとして,成長ステップ前面からゆっくりと遠ざかる粒子供給源をもつモデルを作った.このモンテカルロシミュレーションと理論的解析によって,特徴的なスケールとパターンの再現に成功した.またフラクタル成長との関係も示された.最近,SiCからのグラフィンの成長でも同種の櫛状パターンが見つかった
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Research Products
(16 results)