2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雄介 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20261547)
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Keywords | 超流動 / 固体 / ジョゼフソン効果 / ボース凝縮 / 非古典的回転慣性 / グロスピクエフスキー方程式 / スペクトル関数 / 臨界速度 |
Research Abstract |
一次元ボース系における凝縮固体相を、有限相互作用レンジを持つグロスピタエフスキー方程式を用いて調べ、DCジョゼフソン効果が存在することを数値的に検証した。また相互作用と質量流を変数とした平面上における相図を得た。液体相における励起スペクトルがロトン極小を持つ時には、ランダウ臨界速度は液体相から固体相への連続転移に対応することを確認し、かつその固体液体相転移線において、ジョゼフソン効果の特性に異常がみられないことを確認した。さらに相互作用と質量流を変数として、非古典的回転慣性を数値的に求めた。ポテンシャル障壁がある場合においても固体相で、非古典的回転慣性があることは超流動密度がゼロでないことを意味する。今回の成果は障害物が存在する条件下で固体相が超流動性を持つ初めての例として重要である。固体相における超流動性の検証としてDCジョゼフソン効果が有力な手法の一つとなりうることは今後、超流動固体相の実験的研究に対する重要な示唆を与えたと考えることができる。また2次元系、3次元系の超流動固体に対する理論的理解の基礎となる点においても本研究の成果が重要である。 関連した研究テーマとして不均一ボース系における超流動安定性の判定条件を提案した。この判定条件では、系の動的密度揺らぎに注目する。ランダウ不安定性とサドル・ノード分岐による統一に記述し得るこの判定法は、空間不均一系である超流動固体相の超流動不安定性にも適用可能であり、従来の超流動安定性を一般化したものであると考えることができる。
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Research Products
(25 results)