2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間反転対称性の欠如した重い電子系超伝導体の高圧磁場中の比熱測定
Project/Area Number |
21540354
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
梅原 出 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90251769)
|
Keywords | 重い電子系 / 超伝導 / 高圧 / 比熱 |
Research Abstract |
CeRhSi_3とCeIrSi_3の高圧力下比熱に関して、詳細な研究を行い、多くの知見を得た。本研究では、CeRhSi_3とCeIrSi_3の超伝導特性が反強磁性と如何に共存するかに焦点を当てている。両物質ともに、超伝導と反強磁性が明確にバルクとして共存することは、以前の比熱測定から理解されているが、反強磁性と超伝導が共存する圧力相と超伝導のみが観測される圧力相への移行(転移)が如何におこなわれるかは、不明であった。22年度の成果の第1は、バルク特性として反強磁性と超伝導が共存する圧力相と超伝導のみが観測される圧力相が、わずか0.05GPa以下の極めて狭い境界を介して存在することを観測したことである。詳細な相図を得たので、この境界の高圧側で、反強磁性が完全に消失したのか磁場下での測定をおこなうという指針を得た。 また、磁場中交流比熱測定用のヘリウム3のクライオスタットをたちあげ、熱電対や温度計などを磁場中で使用する際の最適化条件を見出し、圧力下磁場中測定を可能にしている。磁場中では、変調温度を観測するための熱電対が磁場中で大きく磁場の影響を受けることが予想されたが、銀を用いたプレリミナリーな測定を行い、熱電対の出力電圧に磁場の影響は認められるものの、変調温度の観測には、大きな影響は無いことが分かった。これが、22年度の重要な成果の二つ目である。これまで実積のあった金-金鉄のみならず、コンスタンタン-クロメル、金鉄-コンスダンタンなどの熱電対のセットでも磁場下での測定を試みたが、極めて良好な温度変調特性を有していることが分かった。
|
-
-
-
-
[Presentation] CeTSi_3(T:lr, Rh)の高圧磁場中熱容量測定の試み2010
Author(s)
福村啓介, 金丸勇気, 久保裕樹, 梅原出, 上床美也, 松林和幸, 辺土正人, 木村憲彰, 接待力生, 大貫惇睦
Organizer
日本物理学会2010年秋季大会
Place of Presentation
大阪府立大学
Year and Date
2010-09-23
-
[Presentation] FeSeの高圧下での物性測定2010
Author(s)
山田美穂, 三輪啓史, 梅原出, 上床美也, 松林和幸, 高野義彦, 水口佳一, Shixun Cao
Organizer
日本物理学会2010年秋季大会
Place of Presentation
大阪府立犬学
Year and Date
2010-09-23
-