2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子スピン液体から生まれる新奇な磁気秩序の理論的研究
Project/Area Number |
21540379
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
飛田 和男 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (20133704)
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Keywords | Blume-Capelモデル / 異方性 / 空間変化 / 非平衡緩和法 / Wang-Landau法 / 梯子形イジングスピングラス / 転送行列 / モンテカルロ法 |
Research Abstract |
1.2次元高スピン低次元量子反強磁性体における異方性の空間変化に誘起された長周期磁気秩序とフェリ磁性秩序を取り扱う前段階として、1イオン異方性が交替するスピン1のBlume-Capelモデルに、有効的に量子効果を表すフラストレーションの効果も取り入れたモデルを調べた。手法としては非平衡緩和法やWang-Landau法による古典モンテカルロ法を用いて、有限温度相図を明らかにした。調べたパラメータ領域では、このモデルは2段階のイジング相転移を示すことがわかった。また、異方性の強い領域では低温側の転移が1次転移になることも分かった。 2.1次元梯子±Jイジングスピングラズについては、Mattis-Paulによって転送行列法を使って有限温度の厳密解が得られることが知られている。しかし、この厳密解について再検討したところ、基底状態の評価に誤りがあることが分かった。そこで、有限温度を含め、その修正法を提案し、正確な解を得た。
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