2012 Fiscal Year Annual Research Report
量子スピン液体から生まれる新奇な磁気秩序の理論的研究
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21540379
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
飛田 和男 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20133704)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ハイゼンベルグモデル / 強磁性・反強磁性交替鎖 / トポロジカル相 / フラストレーション / 強磁性ラダー / 異方性 / 量子フェリ磁性 / 量子スピン液体 |
Research Abstract |
1.スピン1/2の強磁性次近接相互作用のある強磁性・反強磁性交替鎖はフラストレーションのあるスピン1/2の強磁性ラダー模型の一種ともみなせる。この系について,非磁性領域での基底状態相図を密度行列繰り込み群や数値対角化により調べた。その結果、(a)トポロジカルに異なる2種の非磁性相がパラメータの変化に伴い交互に現れること、(b)これらの相が、強磁性・非磁性相境界上でDmitrievらによって得られた厳密解の内、special pointと呼ばれる点における解に対応することが分かった。これらの結果は、フラストレーションによって引き起こされたトポロジカル相の間の相転移として、他の系には見られない非自明な結果である。今回、最終年度前年度応募によって交付を認められた研究計画において、エンタングルメントスペクトルなど、近年導入されたトポロジカル相を特徴付ける量を用いて、さらに研究を進める。 2.異方性の交替するスピン2のハイゼンベルグ鎖において、Haldane相、Large-D相、倍周期ネール相、量子化フェリ磁性相、部分フェリ磁性相、ギャップレススピン液体相の多くの相を含む基底状態相図が実現することを明らかにした。スピン1の場合と異なり、広い領域でフェリ磁性相やギャップレススピン液体相が実現するが、これは、系がより古典領域に近づいていることを反映している。また、スピン液体相と倍周期ネール相の間には、スピンギャップ相やスピンネマティック相の中間相が介在するのが通常であると考えられるが、現時点では中間相の存在を数値的に明確に示すことはできていない。この研究も、今回、最終年度前年度応募によって交付を認められた課題の一部として継続して研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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