2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工永久散乱体を用いたSAR干渉解析により活火山のマグマ上昇過程を解明する
Project/Area Number |
21540432
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助教 (40262084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 正人 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60313045)
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 教授 (60144391)
青木 陽介 東京大学, 地震研究所, 助教 (90376624)
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 助教 (30301112)
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Keywords | マグマ上昇過程 / 火山の地殻変動 / 火山噴火 / InSAR / 人工永久散乱体 |
Research Abstract |
干渉合成開口レーダー(InSAR)は様々な地殻変動の解析に用いられている.特に面的な地殻変動を捉えるには最も有効な手法である.本研究は,国内で最も活発な火山の一つである諏訪之瀬島において,InSARを用いて地殻変動を捉え,活発な火山活動の源となるマグマの上昇過程を明らかにすることを目標としている.本研究課題では,特に,人工永久散乱体を諏訪之瀬島に設置し,精度の良い解析手法を応用して精度良い地殻変動を捉えようとしている.そのために,平成21年度は,人工永久散乱体を8基作成し,諏訪之瀬島の山頂部及び周辺部に設置したが,平成22年度はInSARの精度良い時系列解析法である短基長線ペアの干渉画像を用いる時系列解析法(SBAS法)を用いた解析手法の改良を行い,平成22年度まで得られているデータに応用した.平成23年度は,解析の総括としてALOSで捉えられた諏訪之瀬島の全データを再解析した.本解析によっても,1cm程度の精度で地殻変動が無かったことが明らかとなった.一方,火山活動をまとめ解析結果と比較したところ,火山活動は依然活発であるにも関わらず地殻変動はほとんど無いことがわかった.解析に用いるデータを取得している衛星の軌道調整の関係上,解析した期間が短いため,これが諏訪之瀬島の火山活動で普遍的な現象かどうか判別するのは難しいが,火口周辺における明瞭な地殻変動が見られないまま活発な火山活動を続けている状況が存在することは,火山噴火過程を考える上で重要な知見となっている.活発な火山活動を行っているにもかかわらず明瞭な地殻変動を伴わない理由として,マグマ溜まりの形,開口系火道を持つマグマ供給システムの性質などが考えられるが,今後の課題としてこれらのモデルを諏訪之瀬島へ適用出来るかどうかの検討を行う必要がある.また,より高精度の地殻変動観測を行って,マグマ上昇過程の解明を目指す必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)