2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540439
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
松本 剛 University of the Ryukyus, 理学部, 教授 (30344287)
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Keywords | 台湾 / 琉球弧 / 造山運動 |
Research Abstract |
台湾の造山運動のメカニズムを解明するための米国・台湾を中心としたTAIGER計画の一環として2009年5月に実施された米国ラモント研究所の研究船「Marcus G. Langseth」によるTAIGER Leg2航海(調査海域:台湾島周辺)に参加し、屈折法・反射法地震探査、精密測深調査(EM-122測深機による)、地磁気探査(G-882セシウム振動磁力計による)を行った。本調査航海は、台湾・米国共同により計画されたものである。この中で、本研究代表者は、主として海洋地球物理データの解析を分担することとなった。 平成21年度は、国立台湾大学の大学院生を招いて、本調査航海で得られた地形・地磁気データの処理を行い、また地形データについては、これまでに本研究代表者が中心として取得した南西琉球域の観測データと併せて、台湾北東方~東方に掛けての地形の特徴を明らかとした。 結果として、南西琉球弧から琉球海溝に至る海域は、次に示す東西方向の4領域に分類することが可能であることが明らかとなった。 (1) 最北端の領域は、南岸沖の南落ち斜面に沿って南北方向に発達した海底谷が多数分布する。 (2) その南側では、スランプ性地辷り痕が発達し、平坦な前弧海盆へと続いている。 (3) 更にその南側では、複雑な起伏、急斜面、東西向きのhalf grabenなどの、不規則な地形。 (4) 海溝域は、幅約40kmにも達する6500-6600mの深さの平坦面である。しかし、このような海溝の地形的特徴は、Gagua海嶺の衝突の起こっている123°Eの西側では不明瞭となっている。 これらの地形的特徴は、沖縄トラフ西部の伸張と呼応して、123°Eの東側で、海溝が南方のフィリピン海プレート側へ後退していることを示唆している。 Gagua海嶺のある123°Eの西側の花東海盆は、その東側の西フィリピン海盆の特徴とは大きく異なる。後者が、拡大痕に相当する地塁・地溝地形とそれを直角に横切る断裂帯が多く発達するのに対して、前者は地形の起伏に乏しい。また、花東海盆の沈み込みが起こっているか否は明瞭ではない。花東海盆が前弧・背弧域と一体化し、これらの3海域全体が台湾ブロックに衝突している可能性もある。
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Research Products
(6 results)