2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高活性なスーパー求電子化合物の電子設計および効率的な創生
Project/Area Number |
21550043
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡崎 隆男 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (90301241)
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Keywords | 物理有機化学 / 活性中間体 / カルボカチオン |
Research Abstract |
新材料の有機合成や体内での代謝反応や機能発現機構には、カルボカチオン、カルベン、カルボアニオン、エン反応、金属触媒が関与する反応に分類される。最近、反応活性の非常に高いスーパー求電子化合物が著しく注目されている。スーパー求電子化合物は、これまで合成不可能であった有機化合物を与えると考えられている。しかし、このような高活性なスーパー求電子化合物の発生方法は、確立されておらず系統的な物理有機化学的研究もほとんど行われていない。そこで、多環式芳香族スーパー求電子化合物の効率的な発生方法を開発し、直接NMR観測による電子構造の解明と有機合成反応への応用を検討する。 本年度は、ジベンゾフルオレン、シラフルオレン、ジベンゾフランの誘導体から超強酸を用いて、多環式芳香族カルボカチオンを発生させた。そして、直接NMR観測と理論計算によって電子構造を明らかにした。多環式芳香族カルボカチオンの陽電荷は限られたベンゼン環にのみに非局在化し、非交互炭化水素カルボカチオンは反芳香族性をもつことがわかった。また、イオン液体中でジアゾニウム塩からフェニルカチオンを発生させ、高収率で分子内環化生成物を合成する方法を開発した。
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Research Products
(15 results)