2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高活性なスーパー求電子化合物の電子設計および効率的な創生
Project/Area Number |
21550043
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡崎 隆男 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90301241)
|
Keywords | 多環式芳香族化合物 / NMR / 超強酸 / カルボカチオン / フラン / ピラン / DFT計算 / 脱ジアゾ環化 |
Research Abstract |
新材料の有機合成や体内での代謝反応や機能発現機構において、カルボカチオンが重要な中間体である。最近、反応活性の非常に高いスーパー求電子化合物が著しく注目されている。スーパー求電子化合物は、これまで合成不可能であった有機化合物を与えると考えられている。しかし、このようなスーパー求電子化合物の発生方法は、確立されておらず系統的な物理有機化学的研究もほとんど行われていない。そこで、多環式芳香族スーパー求電子化合物の効率的な発生方法を開発し、直接NMR観測による電子構造の解明と有機合成反応への応用を検討した。さらに、反応選択性と反応活性について構造との関係を調べた。 本年度は、脱ジアゾ環化反応により電子供与性の高い酸素を2つ含有する新規化合物であるxantheno[2,1,9-mna]xanthene、naphtho[1,2-b:5,6-b']bisbenzofuran、benzo[2,3][1]benzofuro[4,5,6-k1]-xanthene、naphtho[2,1-b:3,4-b']bisbenzofuran等を合成した。そして、超強酸である4:1FSO3H-SbF5と1:1FSO_3H-SbF_5を用いてnaphtho[2,1-b:3,4-b']bisbenzo釦ranからカルボカチオンを発生させ、直接低温NMR観測を行った。DFT計算法によりこれらの多環式芳香族化合から与えるプロトン化反応の位置選択性を予測した。プロトン化カルボカチオン、酸化的ラジカルカチオン、酸化的ジカチオンの陽電荷分布とNMR化学シフトを調べたところ、片方の酸素原子へ陽電荷分布は大きく、ベンゼン環への非局在化も限られていた。さらに、イミダゾリウム系イオン液体に強い有機酸を加え、二環式芳香族ケトンの環化三量化により、多環式芳香族化合物である5,6,11,12,17,18-hexahydro-benzo[c]naphtho[2,1-p]chlyseneと置換10,15-dihydro-5H-diindeno[1,2-a;1',2-c]nuoreneを合成した。
|
Research Products
(7 results)