2009 Fiscal Year Annual Research Report
振幅変調多重化フロー分析法とその実用レベルへの発展
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21550083
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 秀治 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40207121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 政樹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10457319)
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Keywords | フロー分析 / 振幅変調 / 多重化 / 周波数解析 / フーリエ変換 / 自動分析 / 同時分析 |
Research Abstract |
振幅変調多重化フロー分析法は,振幅変調,多重化,周波数解析といった通信工学の概念を導入した新しいフロー分析法である(2007-2008年度萌芽研究)。周波数の異なる制御信号で流量変動させた複数の試料溶液を合流させ,下流で得られる信号を高速フーリエ変換FFTすることにより,シンプルなシステムで同時分析を行うことが可能になる。平成21年度は,分散に基づく振幅減衰(感度低下)などの課題を克服し,本分析法を実用レベルへと発展させるための基礎的検討を行った。低脈流の送液ポンプと高性能検出器を導入し,色素水溶液を試料として流路構成など分析条件を最適化し,さらにプログラムを改良することにより,試料処理速度を6倍(12試料/分)にまで上昇できた。開発したシステムを,1)1,10-フェナントロリン法による鉄イオンの定量,2)チオシアン酸水銀法による塩化物イオンの定量,3)マラカイトグリーン法によるリン酸イオンの定量へと応用し,実用性・汎用性を示した。3)では,ロックイン検出法の導入により,0.1μmol/Lレベルの低濃度のリン酸イオンの定量が可能になった。現在,空気分節法による振幅減衰の抑制について検討しており,良好な成果が出つつある。本法は研究代表者が考案した独自の分析法であり,市販の装置やプログラムに依存することなく,システムの構築から完全自動化のためのプログラムまで自作している点に意義がある。FFTの解析窓を時間移動させることにより,各周波数成分の振幅を時系列・実時間で得る点にも特色がある。
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Research Products
(6 results)