2010 Fiscal Year Annual Research Report
振幅変調多重化フロー分析法とその実用レベルへの発展
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21550083
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 秀治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40207121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 政樹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10457319)
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Keywords | フロー分析 / 振幅変調 / 多重化 / 周波数解析 / フーリエ変換 / 自動分析 / 同時分析 / 空気分節 |
Research Abstract |
振幅変調多重化フロー分析法Amplitude Modulated Multiplexed Flow Analysisは,試料情報の変調,試料合流による情報多重化,周波数解析による多成分同時定量を特色とするフロー分析法である。昨年度(初年度)の基礎的検討の成果をもとに,本年度は,「空気分節-振幅変調多重化フロー分析法の研究」と「多成分同時定量のための振幅変調多重化フロー分析法の研究」を目標に掲げた。いずれについても順調に研究が進展し,以下に述べる成果を得た。また,昨年度の研究成果を原著論文2報として,本年度の研究成果の一部を同1報として公表した。本年度の残りの研究成果は,原著論文として平成23年度中の公表をめざす。 空気分節-振幅変調多重化フロー分析法の研究に関しては,液流を気泡で分節し,管軸方向への分散による振幅減衰を抑制することで,高感度化を達成した。気節導入は,流量制御周期が短いほど,流路が長いほど,効果的であった。これを実試料中のsub-ppmレベルのリン酸イオンや亜硝酸イオンの定量へと応用し,良好な結果を得た。 1試料中の多成分同時定量法については,o-フェナントロリン吸光光度法による2価鉄イオンおよび3価鉄イオンの同時定量を検討した。試料と還元剤の流量をそれぞれ異なる周波数で変動させることにより,検出信号中の各周波数成分への各イオンの寄与が分離できることを理論的に導き,実験によって証明した。 本法は本研究代表者が考案した分析法であり,システムの構築や完全自動化のためのプログラムの作成も独自に行っている点に学術的意義がある。市販の装置やプログラムに依存しない独創的な分析法を開発することは,大学に所属する研究者の姿勢として重要であると考える。
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Research Products
(10 results)