2010 Fiscal Year Annual Research Report
カチオンーπ相互作用による分子配向制御に基づく立体選択的光付加環化反応の研究
Project/Area Number |
21550097
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山田 眞二 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (30183122)
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Keywords | カチオン-π相互作用 / 分子間相互作用 / 光付加環化反応 / 立体選択的合成 / 有機光反応 |
Research Abstract |
22年度はベンゾキノリン類についてカチオン-π相互作用による配向性制御を検討し、[4+4]光二量化反応における溶液中および結晶場での反応を検討し、立体選択性を明らかにした。さらに、溶液および結晶場における選択性の比較も行った。 ベンゾキノリン類の[4+4]光二量化反応は、複数の生成物を与える可能性があり、これまで検討されていなかった。我々は、分子間カチオン-π相互作用を利用することで、位置ならびに立体選択的二量化を達成できるものと考え、メタノール溶液中、中性条件および酸存在下において1-、および2-ベンゾキノリン類光照射を行った結果、中性条件下では、複数の生成物が得られたのに対し、塩酸存在下では、高い選択性でantiHT二量体を与えることを見出した。生成物の構造はX線結晶解析により明らかにした。また、酸の当量により選択性は変化し、3当量の塩酸を用いたときに最も高い選択性が得られた。さらに結晶の光反応を行った結果、中性結晶では生成物が得られないのに対し、塩酸塩結晶では、極めて高い選択性でantiHT二量体が得られた。 これらの結果は、ベンゾキノリン塩酸塩が分子間カチオン-π相互作用によりantiHT型に配向し、光二量化が進行した結果であると説明でき、分子間カチオン-π相互作用の分子配列制御における有用性を明らかにした。
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[Journal Article] A pyridinium cation-pi interaction sensor for the fluorescent detection of alkyl halides2011
Author(s)
W.Chen, S.A.Elfeky, Y.Nonne, L.Male, K.Ahmed, C.Amiable, P.Axe, S.Yamada, T.D.James, S.D.Bull, J.S.Fossey
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Journal Title
ChemComm
Volume: 47
Pages: 253-255
Peer Reviewed
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