2011 Fiscal Year Annual Research Report
含フッ素ブロック,およびスターポリマーから発現するナノポーラス構造の制御
Project/Area Number |
21550114
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
杉山 賢次 法政大学, 生命科学部, 准教授 (20282840)
|
Keywords | リビングアニオン重合 / パーフルオロアルキル基 / 官能基化ポリマー / 表面解析 / X線光電子分光法 / 接触角測定 / 撥油性 / 撥水性 |
Research Abstract |
アニオンリビング重合法を用いることで、一次構造の明確な含フッ素ブロックコポリマーの精密合成に成功した。得られたポリマーフィルムの超臨界二酸化炭素処理を行った後、表面及び内部構造について検討した。XPS測定の結果よりフィルム表面にPFMAが濃縮し、撥水撥油性表面が形成されていることが示された。続いて、イオンエッチングにより表面の含フッ素セグメント層を除去したフィルム表面のSEM観察を行った結果、Si基板では15MPa、KBr板では20MPaで超臨界二酸化炭素処理を行った場合に、最も明確なナノポーラス構造が形成されることを見いだした。次に、機能性分子として、青色LEDへの応用が期待されるフルオレン誘導体を合成し、上記で製作したナノポーラス中への封止を試みた。まず、ナノポーラス構造を形成したフィルムへのフルオレン誘導体の浸漬を試みたが、ナノポーラス構造内壁のフッ素部分と機能分子のフッ素部分同士の親和力が期待したよりも低いため、封止は困難であることがわかった。一方、ブロックコポリマーの製膜時にフルオレン誘導体を共存させることで、含フッ素セグメントに機能分子を閉じ込めることに成功した。しかしながら、超臨界二酸化炭素処理の途中に機能分子の流出が観察され、さらに強固な分子間相互作用を導入することが必要であると考えている。一方、新たな材料開発への展開を期待し、不溶性セグメントである含フッ素ポリマーを含むABCD型miktoarmスターポリマーを合成するための新しい概念に基づく方法論を展開した。すなわち、可溶性セグメントを導入したリビングブロックコポリマーと官能基化試薬を開発することで、従来困難であった様々な形態の含フッ素ポリマーへの道筋を切り開いた。さらにまた、フルオレン誘導体を含むブロックコポリマーとフラーレン誘導体から構成される超分子複合薄膜を用いた不揮発性メモリデバイスへの基礎的知見を得ることに成功し、機能材料開発への応用が期待される。
|
Research Products
(19 results)