2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子三脚の秩序配列に基づく長寿命三重項カルベン単分子膜の開発
Project/Area Number |
21550132
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北川 敏一 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (20183791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 克幸 三重大学, 生命科学研究支援センター, 准教授 (80208793)
岡崎 隆男 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90301241)
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Keywords | 三重項カルベン / 分子三脚 / 自己組織化単分子膜 / ジアゾメタン / チオール / 立体効果 / 光反応 / アダマンタン |
Research Abstract |
三重項カルベンは最も安定化が困難な有機活性種の一つであり、その安定単離はまだ実現されていない。本研究では、三重項カルベンを剛直な「分子三脚」を用いてAu基板表面に自己組織化単分子膜として固定することにより長寿命化し、超安定カルベンを実現することを目的としている。本年度は、まずカルベン単分子膜を作製するための前駆体である、分子三脚-ジアリールジアゾメタン連結体を合成するとともに、カルベン部位の基本特性を検討した。 1)分子三脚部として、アダマンタン骨格にヨードフェニル基と3個のアセチルチオメチル基をもつ分子を合成した。またジアゾメタン部として、パラ位にカップリング反応の継ぎ手であるエチニル基をもつジフェニルジアゾメタンを合成した。 2)上記のジアゾメタンに溶液中で光照射を行いカルベンを発生させたところ、主生成物は二量体アルケンであった。カルベン捕捉剤であるアルコールの共存下で光照射しても捕捉は起こらず、生成物に変化は無かった。この結果から、溶液中ではカルベンの二量化が極めて速く捕捉が起こらないことが示された。この結果は、今後Au基板表面に固定したカルベンの挙動を評価する際の比較データとして重要である。 3)上述の三脚部とジアゾメタン部を薗頭カップリング反応で連結することにより、分子三脚-ジアリールジアゾメタン連結体を高収率で得た。3個のアセチルチオ基をSH基に変換することにより、Au表面に3点で結合可能なトリチオールを得た。
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Research Products
(11 results)