2009 Fiscal Year Annual Research Report
制御ラジカル重合による遺伝子ベクター用糖質高分子の合成と糖衣ポリプレックスの創製
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21550156
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小幡 誠 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (70343267)
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Keywords | 糖質高分子 / ラジカル重合 |
Research Abstract |
本研究課題では遺伝子ベクターへの応用を目的としてDNAコンパクションセグメントを有する糖質高分子を合成を進めている。本年度は糖モノマーの大量合成法の確立と、その重合性の評価ならびに、得られた糖質高分子の水系サイズ排除クロマトグラフィー(aqSEC)による分子量計測技術の開発を行った。 1.糖モノマーの大量合成法の確立…糖モノマーとして2-(α-D-mannopyranosyloxy)ethyl methacrylate(ManEMA)を合成した。従来の方法でもManEMAの合成は可能であったが、さらにカラムクロマトグラフフィーによる精製条件を検討することにより取扱が容易な粉末状のManEMAの調製に成功した。 2.ManEMAの重合性の検討…制御ラジカル重合法に取り掛かる前に、ManEMAと2-hydroxyethyl methacrylate(HEMA)およびdimethylaminoethyl methacrylate(DMAEMA)とのランダムラジカル共重合によりManEMAの重合性を検討した。当初、極性溶媒であるDMF中での重合を試みたが、糖の水酸基によるBootstrap効果が現れ、理想共重合から逸脱することが明らかとなった。この効果を低減するためには10vol%の水の添加が有効であること分かった。 3.aqSECの条件検討…カチオン性糖質高分子poly(ManEMA-co-DMAEMA)はaqSECの充填剤のアニオン性の未反応カルボキシル基と強く吸着し計測が著しく困難である。種々の条件を検討した結果、0.7MNaNO_3を含む1Mトリス緩衝溶液を溶離液として用いることにより計測可能であることが分かった。
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Research Products
(3 results)