2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユニークなスピンーレドックス特性を持つラジカル直結型核酸の開発
Project/Area Number |
21550158
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
麻生 真理子 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (30201891)
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Keywords | 核酸 / 安定ラジカル / ESR / スピンラベル |
Research Abstract |
核酸の機能発現に影響を及ぼす核酸の構造変化を正確に検出する有用なプローブの創出をめざし、安定ラジカルが塩基部に直結したラジカル直結型核酸の合成を行なった。2-N-tert-ブチルアミノキシル2'-デオキシアデノシン(A^*)を導入した15-merオリゴデオキシヌクレオチド(以下ODNとする)を合成し、A^*の向かい合う位置に異なる塩基をもつ相補鎖と二本鎖を形成した。3本線からなるESRスペクトルの、中央ピーク高さ、幅、低磁場ピークと中央ピーク高さの比、低磁場ピークのシフトがA^*の運動性評価のパラメータとして妥当かどうか検討した。A^*の両隣がピリミジン塩基の場合、二本鎖の安定性の指標となるTm値と上記パラメータがよい相関を示したが、両隣がプリンの場合、明確な相関は見られなかった。A^*のラジカル部位がかなり嵩高いため、A^*の向かい合う位置よりも隣接した塩基の違いの識別に適している可能性があるため、今後検討する。またA^*とヒドロキシルアミン体(A-NOH)との相互変換というレドックス特性を核酸構造研究に利用するため、A-NOHを導入したODNへの光照射によるA^*への酸化及びA-NOHと2-アミノプリン(2-AP)を導入したODNへの光照射によるA^*から2-APへの電子移動を介したA^*への酸化を検討した。二本鎖形成により、光照射によるA^*生成効率は低下した。二本鎖への光照射によるA^*生成の配列依存性、2-APとA-NOHの距離依存性を今後検討する。
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