2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユニークなスピンーレドックス特性を持つラジカル直結型核酸の開発と応用
Project/Area Number |
21550158
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
麻生 真理子 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (30201891)
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Keywords | 核酸 / 安定ラジカ / ESR / スピンラベル |
Research Abstract |
2-N-ブチルアミノキシル2'-デオキシアデノシン(A^*)を導入したオリゴデオキシヌクレオチド(以下ODNとする)を用いて、ESR法によるA^*の運動性評価、核酸構造の検出を行うことを目的とする。特にA^*に隣接する位置の塩基対の違いによる二本鎖の安定性の差をESR法を用いて検出できるかを検討した。A^*の両側がピリミジン塩基の配列、プリン塩基の配列を計5種類合成し、A^*と向かい合う位置に4種類の天然塩基のいずれかをもつ相補鎖と二本鎖を形成し、Tm値から予想される二本鎖の安定性とESRスペクトルとの相関を精査した。A^*の運動性評価にはESRスペクトルの中央ピーク高さ、中央ピーク高さと低磁場側ピーク高さの比(h_+/h_0)、中央ピーク幅を用いた。5'-TA^*T-3'5'-CA^*T-3'の配列を持つ15-merではA^*に向かい合う塩基が、C,G,T,Aの順にTm値が高く、Tm値が高い順にh_+/h_0が小さくなる傾向がみられた。5'-CA^*C-3'の配列では、Tm値はC=G,T,Aの順であったが、h_+/h_0がAの場合のみ、上記傾向に当てはまらなかった。再現性を検討る。中央ピーク幅については、定量的な相関は得られていないが、Tm値が大きいものは小さいものに比べ小さい値を示す傾向が認められた。A^*の両側がプリン塩基の配列は5'-GA^*-3'、5'-GA=G-3'を検討した。5'-GA^*A-3'の場合、Tm値とh_+/h_0に明確な相関は見られていないが、中央ピーク幅については、Tm値が大きいものは小さいものに比べ小さい価を示す傾向が認められた。 6-N-ブチルアミノキシル2'-デオキシアデノシンの合成に関しては、現在進行中である。
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