2009 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド折り紙を基体とする亜硝酸還元酵素様光触媒の開発
Project/Area Number |
21550163
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石田 斉 Kitasato University, 理学部, 准教授 (30203003)
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Keywords | ペプチド / 非天然アミノ酸 / ビピリジン / ルテニウム / 光触媒 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでに、金属配位能を有する非天然アミノ酸として、5'-アミノ-2,2'-ビピリジル-5-カルボン酸を3残基導入したペプチドの分子設計を考案しており、ルテニウム錯体をコアとする光機能性人工蛋白質を合成、報告し、ペプチド折り紙と名付けられている。本研究では、このペプチド折り紙を基体とする新規な光触媒として、ペプチド内に導入した三残基のヒスチジンに、銅が配位したルテニウム-銅二元ペプチド錯体の合成と、その亜硝酸還元光触媒能の評価を行うことを目的とする。 この目的のために、ビピリジン骨格を有する非天然アミノ酸3残基と、ヒスチジン3残基を含むペプチドを合成し、そのルテニウムトリス(ビピリジン)型錯体を合成する。ルテニウム錯体化に伴って折り畳まれたペプチド上で、ヒスチジン残基が互いに近接することを利用して、銅イオンを配位させ、ルテニウム-銅二核錯体を得ることを計画している。本年度は、主にこのペプチド合成を行うために、(1) 分子モデリングを用いたペプチド配列の検討を行い、非天然アミノ酸間のペプチド鎖がTypeIIターン構造を有することにより、目的の錯体構造が得られることが示唆された。次に、(2) 非天然アミノ酸5'-アミノ-2,2'-ビピリジン-5-カルボン酸を5,5'-ジメチル-2,2'-ビピリジンを出発原料として7段階反応で合成し、さらにそのアミノ基の反応性が低く、固相合成に用いることが困難であることから、N端側にアミノ酸を接続したジペプチドユニットの合成を行った。そして、(3) これらの非天然アミノ酸を用いたペプチド合成をFmoc固相法により行った。ここで、得られたペプチドをルテニウム錯体化する際、ヒスチジン側鎖は保護された保護ペプチドを得る必要があることから、2-クロロトリチル樹脂を用いて合成を行った。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
石田斉(分担執筆)
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Journal Title
『超分子サイエシス:基礎からイノベーションまで』国武豊喜監修 第4章バイオ超分子、第3節 タンパク質の超分子化学、「4 光機能性人工タンパク質」(エヌ・ティー・エス)
Pages: 1009-1017
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