2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロゲルおよびその集合体を利用した新規高性能ゲルの創製
Project/Area Number |
21550204
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (80313568)
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Keywords | コロイド結晶化 / 高分子マイクロゲル / 光散乱 / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)ゲル / ガラス化 |
Research Abstract |
数ナノから数百ナノメートルに粒径を制御した単分散高分子マイクロゲル濃厚分散系の構造形成とダイナミクス解明と新規高性能高分子ゲルの材料設計のための指針を提案することを目的とした。特に、最終年度である平成23年度は、コロイド結晶化速度の温度依存性およびゲル粒径依存性をさらに詳細に検討し、結晶化の支配因子を明らかにすることを目的とした。 光学顕微鏡観察と紫外可視分光(UV-Vis)測定を測定手段としたコロイド結晶化動力学の測定を行い、高分子マイクロゲルのコロイド結晶化が擬似的微重力下で起こることを明らかにした。また、生じる結晶はfcc構造であることを明らかにした。同時にコロイド結晶を生じ構造色を発するマイクロゲル分散系を重合により固定化可能出ることを示し、構造色ゲルの創製に成功した。 マイクロゲル分散系のガラス化挙動についても検討を行った。コロイド分散系のガラス化自体はよく知られた減少であるが、通常の固体分散系においては粒子と溶媒との屈折率差が大きく、光を利用した測定が困難であるため、そのダイナミクス研究には制約があった。今回、マイクロゲル分散系の動的光散乱測定により時間自己相関関数の温度および濃度依存性を検討し、ガラス化過程において集合体中の協同拡散的運動が観察されるようになり、徐々に粒子の並進拡散が消えて行く過程を明らかにした。これは、マイクロゲルと溶媒との屈折率差の小ささが可能とした結果である。
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Research Products
(6 results)