2011 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族系高分子電解質アクチュエータの化学・電極構造と運動パフォーマンス
Project/Area Number |
21550205
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
庄司 英一 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50262241)
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Keywords | 高分子アクチュエータ / 人工筋肉 / 高分子電解質 / 化学アクチュエータ |
Research Abstract |
アクチュエータの膜材となる高分子電解質として各種のポリイミドスルホン酸の合成、その成膜条件、さらにアクチュエータを作成するために導電性布帛を用いた複合体電極の作製について検討を行った。従来この種の高分子電解質は溶解性が低いので、溶媒溶解性を高めること及び成膜性の向上のために、共重合構造に加え共重合比について検討を行った。ポリイミドスルホン酸の創製では各種モノマーの純度を上げる工夫も行った。共重合反応の条件、ポリマーの精製方法の工夫から共重合構造、および、共重合比の異なる種々のポリイミドスルホン酸を得た。得られた種々の共重合構造は多様な溶媒溶解性や各種の水溶液中での膨潤挙動について詳しく調べ、異なる共重合構造を持つポリマーを系統的に合成し化学構造と溶解性の相関の知見を集積することで溶媒溶解性や成膜性に優れる共重合構造に関する知見を集積した。これらの知見を踏まえることで成膜条件の検討を行い、均一で良好な膜が得られた。アクチュエータとして作動させるために、伸縮性の導電性布帛を電極材として接合する方法を検討した。導電性布帛として金メッキを施した布帛を伸縮性の電極層として検討し、電極接合条件、イオン交換、評価計測条件の検討などからアクチュエータの創製を行った。印加する電位波形の検討から、高分子アクチュエータ専用のパフォーマンス評価計測システムにより運動性能(屈曲変位量、発生力)を計測した。ポリイミドスルホン酸および導電性布帛からなる構造新規なアクチュエータが良好に作動することを確認した。従来のパーフルオロカーボンスルホン酸膜をベースとしたアクチュエータに比べ、膜材の寸法安定性や力学強度、さらに、耐薬品性の飛躍的な向上となっており、高分子アクチュエマタの高性能化が可能であることを明らかにした。
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