2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560062
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山田 貴博 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (40240022)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 和己 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (00377110)
|
Keywords | シミュレーション工学 / 計算物理 / マルチフィジックス / 統合プラットホーム / 仮想物理空間 / 重合格子 / 連成解法 / 領域分割法 |
Research Abstract |
高度なマルチフィジックスシミュレーションを行う汎用的なシステムを,各現象に対して開発された高性能なシミュレータの統合により実現することが望まれている.本研究課題では,このようなシミュレータの統合するために仮想物理空間と呼ぶ空間・時間に広がる物理量を各シミュレータが共有,操作するプラットホームを構築することを目指し,そのための理論的な基礎を確立することを目的としている. 平成21,22年度までの研究では,直交格子を背景格子とし,Nitscheの方法により拡張されたLagrange未定乗数法によって格子を柔軟に設定することを可能とする重合格子法を開発した.これは,仮想物理空間を実現するための基盤技術となる. 平成23年度においては,平成22年度に開発した重合格子法をマルチフィジックスシミュレーションの一つである流体構造連成問題に適用し,提案する手法の実問題への適用性を検討することを目指した.そのために,まず高精度な流体計算法としてスプライン関数を基底とした特性ガラーキン法に基づく計算手法を開発した.開発された流体計算法は精度の高いものとなったが,流体構造連成解析を行うために重合格子法を導入するには到らなかった.また,Nitscheの方法に基づく領域分割型の重合格子法において,反復型連成解法に対するアルゴリズムの検討と数値安定性の評価を行った.Nitscheの方法では,従来の手法と比べ安定性と収束性は向上するが,剛体変位についての拘束が依然として必要であることが分かり,今後の技術的課題が残る結果となった.
|