2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた踵骨音速による簡易的骨粗鬆症診断装置の開発
Project/Area Number |
21560084
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
水口 義久 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70020500)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 超音波 / 踵骨音速 / 骨密度 |
Research Abstract |
本年度は,踵中を透過するエコー波形の位置補正を正確に行い,また踵の温度が踵骨音速値に及ぼす影響を考慮した簡易的でありながら高い測定精度を有する装置の開発を行った.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.踵中を透過するエコー波形の位置補正を正確に行うため,踵の両側に遅延材を組み込んだ発信用と受信用の超音波探触子を接触させた.そして,超音波を発信させて,遅延材と踵中を透過するエコー波形をパーソナルコンピュータに取り込み,この全体を透過するエコー時間から,探触子の振動子前面に接着されている整合層部分の透過時間と遅延材部分の透過時間を差し引いて,踵中の透過時間を明らかにした. 2.踵中の音速値を簡易的に測定するために,踵中の透過時間のみをブラウン管上に表示させ,そのエコー波形をパーソナルコンピュータにデータとして取り込み,また踵幅をディジタルノギスで測定し,踵幅を踵中の透過時間で割り算することにより,踵中の音速を求める方法を確立した.また,踵の両側における軟部組織の厚さを測定することなく踵骨音速値を求めるために,踵骨幅が踵幅の約64%であることを利用し,踵両側の軟部組織の音速を153lm/sとして,温度補正後の踵骨音速を簡易的に求める方法を確立した. 3.踵の表面温度が踵中の音速値に及ぼす影響を考慮するため,一方の探触子に組み込まれた遅延材の先端部分に熱電対を取り付け踵の表面温度を測定し,踵の温度が1℃上昇すると踵骨温度が2.48m/s減少することを利用し,基準温度(30℃)での温度補正された踵中の音速を求め方法を確立した. 4.学生達を被験者として測定した踵骨音速値を腰椎のDXA法による骨密度の測定結果と比較検討し,本装置の有用性を明らかにした.
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