2009 Fiscal Year Annual Research Report
RTM法によるFRP成形の超音波を用いたスマート化
Project/Area Number |
21560099
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山嵜 友裕 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80230382)
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Keywords | FRP / RTM成形 / 超音波 / モニタリング / 樹脂流動 |
Research Abstract |
複雑な3次元形状を有するFRPの製作に適しているRTM法において,金型内部の樹脂流動状態を評価できれば高品質な製品を効率よく成形することが可能になる.従来用いられてきた誘電率センサは,金型内部に埋め込まれるため製品の表面性状や強度に影響を及ぼす可能性がある.本研究は,金型内側表面での超音波の反射率が樹脂の接触や硬化により変化することを利用し,金型外側表面に設置したセンサを用いて樹脂流動および硬化のモニタリングを行う技術の確立を目的としている. これまでの研究で,平板の成形においては電磁超音波センサにより金型中に発生させたせん断波定在波の振幅から測定部における樹脂先端の通過を検出できることが確認された.今年度は圧電フィルムを用いて半円筒形金型における樹脂流動モニタリングを試みた.圧電フィルムは金型との接触状態を一定にするため金型外側表面に貼付した.そのため測定位置の走査は行えないが,変換効率の低さを補うため定在波を用いる電磁超音波センサが温度変化に伴う共振周波数変化の影響を受けるのに対し,パルス波による駆動が可能であるため温度変化に伴う音速変化の影響を受けない.ここでは金型内側表面での第1反射波と第2反射波の振幅比を求めた. 樹脂流動先端位置の連続測定を行うためには短冊状の圧電フィルムの利用が望ましい.樹脂だけの成形を行った結果,短冊状の圧電フィルムの測定領域はほぼフィルム寸法と同じであり,振幅比は樹脂流動とともに線形的に低下した.リアルタイムでのモニタリングをめざし,一部分を無効にすることにより単位長さあたりの振幅比低下量を求められる形状のフィルムを用いて流動モニタリングを行った結果,樹脂だけの場合はリアルタイムでの流動モニタリングの可能性が示された.ただし,強化繊維を積層すると繊維体積含有率が低い状態では繊維と金型との接触状態が一様ではないため誤差が大きくなった.0
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