2011 Fiscal Year Annual Research Report
急速通電加熱熱間成形ダイクエンチ法の適用における冶金学的留意点の明確化
Project/Area Number |
21560120
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
牧 清二郎 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20124315)
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Keywords | 熱間成形 / プレス成形 / ダイクエンチ / 通電加熱 / 高張力鋼板 / 焼入れ / 引張試験 / 曲げ試験 |
Research Abstract |
当初研究計画に沿い、熱問プレス・ダイクエンチ用実用鋼板を実験材料に用い、ダイクエンチにおいてマルテンサイト変態を起させ得る冷却速度条件下において、加熱温度を変化させて得たクエンチ材に対して常温引張試験を行い、常温での強度と延性におよぼす加熱温度の影響を調査した。その結果、変態点Ac3以上の加熱温度では、マルテンサイト単相組織が得られ、十分な強度を確保できること、変態点Acl~Ac3間の加熱温度ではフェライトとマルテンサイトから成る2相組織が得られ、加熱温度の上昇とともに、マルテンサイト相の増加を反映して強度は増加し、フェライト相の減少を反映して延性は、逆に、減少する様子の詳細を明らかにできた。当初計画にはなかったが、プレス稼働率の向上を目的に、成形として円弧曲げを採り上げ、ダイクエンチ過程にある成形品の型からの解放時期の成形状態におよぼす影響を調査した。その結果、型による変形拘束状態下でマルテンサイト変態を起させることが成形品の形状精度を向上させていることがわかった。そして、マルテンサイト変態がほぼ完了する、マルテンサイト変態開始温度(実験に用いた実用鋼板では410℃)より約200℃低い、200℃以下において成形品を型から解放すれば、十分な強度を有した成形精度の高い成形品が得られることがわかった。これらの知見は、平成23年度秋に開催された日本塑性加工学会連合講演会において発表した。また、前年度に得た研究成果であるが、これを塑性加工に関する国際会議ICTP2011において発表した。当該年度に得た研究成果については、金属材料の成形に関する国際会議Metal Forming2012にて発表すべく、講演申込みを行った。なお、講演論文については学術誌"steel research international"への掲載が決定している。平成23年度は本研究の最終年度であるので、これまでの研究成果を報告書にまとめた。
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Research Products
(8 results)