2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560136
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Research Institution | 大阪府立大学工業高等専門学校 |
Principal Investigator |
田代 徹也 大阪府立大学工業高等専門学校, 総合工学システム学科, 准教授 (00322628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 順介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60116093)
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Keywords | CFRP / チタン合金 / 難削材 / 穴加工 / 切削 |
Research Abstract |
具体的内容:数種類のドリルを用いてCFRP/チタンスタック材の穴加工を行った.加工時に工作物にかかるトルクとスラストカの測定,工具摩耗の測定,ドリル刃先の観察,穴内壁の観察等を行った.工具には数種類のコーテッド超硬ドリルを用いた.コーティングの種類はTiAlCr/TiSi多層コーティング,TiN/AlN多層コーティングとした. CFRPの穴加工では乾式加工が推奨されていることから,乾式加工を主として行った.また,冷却効果を確認するためにドリル先端の油穴から油を用いない水ミストのみを吹き付けた実験および冷風による冷却も行った.実験結果の信頼性を挙げるために同条件で複数回の実験を行った.主な結果は以下のとおりである. 1.乾式加工において切削速度,送り速度が同じ条件ではTiN/AlNコーテッド超硬ドリルよりもTiAlCr/TiSiコーテッド超硬ドリルの方が工具寿命は長いことが再確認できた. 2.TiAlCr/TiSiコーテッド超硬ドリルを用いて,水ミスト冷却を行った結果,CFRP部分の焼けは減少し,穴径の寸法精度は向上した.しかし,チタン合金の切りくずは冷却により曲がりにくくなり,切りくずがダブルマージン部と2番取り面との境界に凝着した.この現象は,摩耗が進むと突発的に起こると考えられ,一定の穴回数では発生しなかった.また,この凝着が起こるとその後の工具摩耗は急激に進行した. 3.空冷による冷却では,上記と同様の凝着はみられなかった. 意義:チタン合金は難削材であり,冷却液を用いた切削加工が推奨されるが,乾式による穴加工でも200個以上の穴加工を実現した.冷却の方法に工夫する余地があるが,超硬コーテッドドリルを用いて適切な加工条件を選択することで,実生産現場においても乾式によるCFRP/チタン合金スタック材の乾式加工の生産性が増すと考えられる. なお,研究成果の一部を国際会議ISAAT2011において,発表した.
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Research Products
(2 results)