2009 Fiscal Year Annual Research Report
大作業領域と高精度運動を同時実現するハイブリットマニピュレータの開発
Project/Area Number |
21560143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 行生 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20216914)
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Keywords | ロボット工学 / 機構学 / ハイブリッドマニピユレータ / パラレルメカニズム / 機構総合 / 誤差解析 / 剛性解析 |
Research Abstract |
本研究は,出力リンクが姿勢変化を伴うことなく3次元空間内で並進運動を行う空間機構(並進機構)と,出力リンク上の特定の点の位置が変化することなく出力リンクがその点(回転中心)のまわりに回転運動を行う空間機構(向転機構)とからなるハイブリッドマニピュレータを対象として,高精度運動と大作業領域を同時に実現するための機構設計法およびキャリブレーション法を開発することを目的としている.まず並進機構については,メインの出力運動が並進運動,サブの出力運動が補償用の回転運動である機構構造を明らかにするために,機構の構造の総合を行った.具体的には,3本の連結連鎖により構成される並進パラレルメカニズムおよび回転パラレルメカニズムの構造をベースとして,出力運動の並進成分と回転成分が完全に分離可能な完全分離形機構,および並進成分については分離されているものの回転成分については従属的な並進成分が生じる部分分離形機構を対象として,適用可能な具体的な機構構造を網羅的に明らかにした.次に回転機構については,機構各部の弾性変形によって生じる出力誤差を解析するために,機構の剛性解析式を導出し,1形式の機構を取り上げて剛性の作業領域の分布を明らかにした.また,回転中心の位置誤差を精密に保持し,大きな姿勢変化を実現するための機構の基本的な構造を明らかにした.さらに,幾何学的な誤差,リンク各部の弾性変形等を考慮して高精度な位置決めを実現するためのキャリブレーション法を開発し,単純な機構を対象としたシミュレーションによりその手法の有効性を明らかにするとともに,並進機構の試作機に適用して実験的検討を加えた.
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