2010 Fiscal Year Annual Research Report
大作業領域と高精度運動を同時実現するハイブリッドマニピュレータの開発
Project/Area Number |
21560143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 行生 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20216914)
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Keywords | ロボット工学 / 機構学 / ハイブリッドマニピュレータ / パラレルメカニズム / 機構総合 / 誤差補償 / 剛性解析 |
Research Abstract |
本研究は,出力リンクが姿勢変化を伴うことなく3次元空間内で並進運動を行う空間機構(並進機構)と,出力リンク上の特定の点の位置が変化することなく出力リンクがその点(回転中心)のまわりに回転運動を行う空間機構(回転機構)とからなるハイブリッドマニピュレータを対象として,高精度運動と大作業領域を同時に実現するための機構設計法およびキャリブレーション法を開発することを目的としている.まず,並進機構については,昨年度の試作機をペグインホール作業に適用し,位置決め誤差,軸と穴のすきま,許容接触力を考慮したインピーダンス制御系の設計を行って実験的検討を行ったところ,所定の範囲の位置誤差に対しては所期の接触力範囲で作業が実現できることが確認された.回転機構については,2軸まわりの回転運動を主たる出力運動とし,回転中心の位置誤差のうちこれらの回転軸に平行な方向の成分を補償することが可能な機構を対象として,出力リンクの運動を拘束するための連結連鎖1本と回転運動創成用および位置誤差補償用の能動ジョイントをそれぞれ1つずつ有する連結連鎖2本からなる機構の構造と量の総合を行い,具体的な構造および設計仕様に対して最適な機構寸法を明らかにした.さらに,機構内のリンク,ジョイント等の構成要素の弾性変形による位置誤差の解析を行うとともに負荷に対して高剛性な機構を得るために,リンク等の弾性変形特性を詳細に評価可能な剛性解析モデルおよびこれに基づく機構の剛性解析手法を開発し,これを用いて回転機構の設計を行った.設計結果をもとに試作機を製作し,回転中心の位置誤差の補償のための制御系を構築して実験を行ったところ,試作機は広い作業領域を実現するとともに,回転中心の位置誤差を補償制御により大幅に低減可能であることが確認された.
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