2010 Fiscal Year Annual Research Report
振動解析に適したスポット溶接部のモデル化とばらつきを考慮した溶接位置の最適化
Project/Area Number |
21560237
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鞍谷 文保 福井大学, 工学研究科, 教授 (00294265)
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Keywords | モデル化 / 振動解析 / スポット溶接 / 有限要素法 / 多点拘束 |
Research Abstract |
スポット溶接は薄板の接合法として,自動車業界など幅広い工業分野で使用されている.本研究では,少ない溶接点数で所望の振動特性を有する溶接構造を実現するための溶接位置の決定法を提案する.その要素技術として,昨年度に続き振動解析に適した溶接部のモデル化について検討した.特に,国内の自動車業界で標準的に使用されている多点拘束を利用してソリッド要素(ナゲット)とシェル要素(メタルシート)を結合するモデルの動的特性を詳細に調べた.その過程で,ソリッド要素とシェル要素を結合するモデルにおける多点拘束方程式の係数の導出方法を明らかにした.また,溶接位置の変動が溶接構造全体の振動特性に及ぼす影響の解析および溶接位置の重要度の評価方法について検討した.その結果,以下のことが明らかになった. 1. 多点拘束を利用してソリッド要素とシェル要素を結合するモデルでは,ソリッド要素と結合されるシェル要素のサイズが大きい場合は,パッチ(ソリッド要素と結合されるシェル要素のグループ)が4個のシェル要素で構成されず矩形のパッチ形状が現れる.その結果,固有振動数の変化のばらつきが大きくなる. 2. ソリッド要素の中心とパッチ中心のずれが固有振動数の変化のばらつきに大きな影響を及ぼす. 3. 溶接位置のばらつきよりもソリッド要素の中心とパッチ中心のずれの影響の方が大きい. 4. スポット溶接周辺のシェル要素のモードひずみエネルギーを比較することで,モードごとに溶接位置の重要度が評価可能である.モードごとに重要な溶接位置が異なる. 次年度の研究内容の一つとして,スポット溶接周辺のシェル要素のモードひずみエネルギーを用いた溶接位置の重要度評価方法についてさらに検討を進める.
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Research Products
(4 results)