Research Abstract |
四足ロボットのトロット歩容において,任意の静止位置・姿勢を初期,及び終端状態とし,ロボットの各関節の発生できるアクチュエータパワー限界,支持脚と地面の摩擦による力学的な拘束を考慮した,最速歩行パターンの生成を最終目的としている。これに対し平成22年度までに,歩行中の胴体を地面に対して水平に平行移動させるという拘束条件の下,歩行中の2つの支持脚で発生する推進力を動的に変化させる手法を確立するとともに,歩行中の胴体の高さ,姿勢,支持脚間距離を様々に変化させ,3次元探索を行なうことで,これまで作りこみで達成していた最速歩行速度である約450mm/sを上回る,467mm/sという速度を理論的に達成できた。平成23年度は,静止状態から目標歩行速度,任意の歩行速度から決められた目標地点に停止するまでの状態遷移区間における最短時間での歩行方法を確立した。この方法は,目標速度,あるいは目標地点までの2歩手前までは,できるだけ加速,あるいは減速を行うことのできる歩行とし,最後の2歩で目標に合わせた調整を行うという方法である。これらの最速歩行軌道の妥当性を検証するため,歩行中の状態のモニタリングが可能な四足歩行ロボットの実験機の開発を行った。実験の結果,予定の歩数で加速,減速が実現できたが,その達成速度は理論上の値の55%程度にとどまってしまった。これは,実験機の胴体質量が脚と比較してそれほど大きくなかったために遊脚の運動の影響を受けてしまったこと,誤差による脚先での撃力により,歩行が大きく影響を受けてしまったためと考えられる。また,歩行から停止に至る制動距離は,理論値とほぼ同じ値が得られた。
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