2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境に優しい高性能直接形AC-AC電力変換システムの開発
Project/Area Number |
21560306
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 貴志 Nagasaki University, 工学部, 准教授 (30222649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 剛 長崎大学, 工学部, 教授 (50156577)
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Keywords | マトリックスコンバータ / 直接AC-AC電力変換 / 耐環境性 / 高効率電力変換 / 回路シミュレータ |
Research Abstract |
直接形AC-AC電力変換装置であるマトリックスコンバータ(以下MC)に対して,より一層の特性改善と装置の大容量化を実現し,高調波・EMIに厳しい医療現場やエネルギー消費の中心である電動機ドライブへの応用に寄与する,環境に優しい電力変換システムの開発を目的として,本年度は以下の2項目についての研究を実施した。 (1) 高速制御システムの設計・試作 従来までの制御システムは,DSPとFPGAから構成されており,転流シーケンスを含んだ計18個のIGBTへの点弧信号を作成していた。しかしながら,DSPの割り込み周波数や周辺装置の処理速度の関係から,現状以上の高速な制御を行うにはDSPや周辺機器の飛躍的な発展を待つしかない。そこで,入力電圧や出力電流の読み込みをFPGAボードに直接搭載したA/Dコンバータにて行い,さらに位相状態の作成や転弧時間の演算などもFPGAに負担させる。そのためにFPGAボードやDSPボード,PCI拡張ボックスを別途購入し,プログラマブルICを中心とした高速制御システムを試作した。 (2) マルチドメインー設計・試験シミュレーションシステムの構築 本MCシステムは,電力用半導体スイッチからなる非線形システム,電動機に代表される機械的な負荷システム,DSPやFPGAを用いたディジタル回路,ゲートアンプなどのアナログ回路が用いられる制御システム,などから構成される。このような異なる物理法則が混在するマルチドメインシステムを記述するのに最適であるVHDL-AMS(IEEE1076-1-1999)にて,MC本体,負荷となる電動機,電源システムの各モデルを作成した。さらに,DSPやFPGAによる制御アルゴリズムは,C言語インターフェースやVHDLによる記述を利用した制御モデルとした。なお,これらすべての表現が可能なミュレーションソフトウェアには,アンソフト・ジャパン(株)社のSIMPLORERを使用した。
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