2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境に優しい高性能直接形AC-AC電力変換システムの開発
Project/Area Number |
21560306
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 貴志 長崎大学, 工学部, 准教授 (30222649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 剛 長崎大学, 工学部, 教授 (50156577)
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Keywords | マトリックスコンバータ / 直接AC-AC電力変換 / 耐環境性 / 高効率電力変換 / 回路シミュレータ |
Research Abstract |
直接形AC-AC電力変換装置であるマトリックスコンバータ(以下MC)に対して,より一層の特性改善と装置の大容量化を実現し,高調波・EMIに厳しい医療現場やエネルギー消費の中心である電動機ドライブへの応用に寄与する,環境に優しい電力変換システムの開発を目的として,本年度は以下の2項目についての研究を実施した。 (1)電源異常にロバストな制御アルゴリズムの構築 直流リンクを持たないMCでは,入力電源のひずみや不平衡の影響が出力に直接現れる。また,入力電源の位相情報や中間電圧の正負などによってモードを切り換えているため,入力電源変動が生じた際には更なる詳細なオンライン処理が必要となる。そこで,入力電流制御パラメータと出力電圧指令を入力電源のひずみに応じてアクティブに設定可能な,電源変動にロバストな制御法をシミュレーションシステムにて検討した。また,実験システムへ本制御法を移行することは終了したが,試験手法の検討が整わず,来年度の課題としたい。 (2)電力回生を実現する制御手法の構築 入出力回路間に接続されているクランプ回路のエネルギー回生に関して検討する予定であったが,MCの特性である両方向性を生かした電力回生を実現するための制御方法について,システムシミュレーションにて検討した。さらに,それらを実験で検証するために,クランプ回路に利用する小容量のインバータを作成した。電力回生の制御法検討では,スイッチングデバイスのモデル化レベルを変更し,素子損失が回生動作に与える影響を考慮できるように改良した。ただし,部品の配置によって定まる漏れインダクタンス等の考慮も検討したが,モデル化においてその特性を表現できず,今後の課題としたい。
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