2009 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム観測によるナノオーダー極薄シリコン絶縁膜の形成機構
Project/Area Number |
21560321
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
遠田 義晴 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20232986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
匂坂 康男 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80108977)
加藤 博雄 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20152738)
手塚 泰久 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20236970)
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Keywords | シリコン酸化膜 / 光電子分光 / 酸化速度 / リアルタイム測定 / ゲート酸化膜 / 放射光 / ドライ酸化 / ウェット酸化 |
Research Abstract |
1.準大気圧リアルタイム光電子分光装置の整備 準大気圧測定で必要な差動排気システム、ガス導入制御システム等を整備し、ガス圧力が10^<-3>Torrまでの雰囲気下、基板温度800℃で、気相反応中にリアルタイムでX線光電子分光測定を行うことに成功した。今後さらなる高圧下で測定を可能とするため、本装置に改良を加える予定である。 2.O_2ガスによるドライ酸化反応速度の解析 酸化温度300℃~850℃、酸素圧力10^<-6>Torr~1Torrの酸化条件での酸化速度を明らかにした。酸化膜厚2nm以下での初期酸化において、極めて急速に酸化が進行することを明らかにした。この事実は、これまで自然酸化膜としてや実験誤差として理解されていた酸化初期領域の正しい認識を与えるものであり、工学的応用上も重要な情報である。 3.H_2Oガスによるウェット酸化反応速度の解析 ドライ酸化に比べウェット酸化では、初期の急速な酸化が小さいと言われている。しかしこの場合の初期とは数十nm領域の膜厚であり、ドライ酸化とウェット酸化での違いがどの程度初期から発生しているかは興味深い。そこで1nm程度の膜厚領域で両者の酸化速度を比較したところ、明らかな違いがみられた。すなわち、初期の急速な酸化はドライ酸化特有に見られるものであり、膜厚1nm領域からすでに発生していることが明らかとなった。 4.熱酸化反応と酸化膜熱分解反応の表面モホロジーの解析 熱酸化反応における表面モホロジーの酸化温度依存性と、酸化膜の熱分解反応における不均一なボイド形成モデルについて、Si2p内殻準位光電子分光スペクトルから解析した。熱酸化反応に関しては、600℃以上で2次元島成長、600℃以下でランダム吸着型成長と矛盾しない結果を得た。熱分解反応に関しては、2nm酸化膜形成後の1000℃30秒間加熱により、酸化膜が不均一にボイドを形成して分解することを見出した。
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Research Products
(9 results)