2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規な有機色素分散型ハイブリッド無機EL素子の発光機構解明に基づく特性向上
Project/Area Number |
21560337
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
内田 孝幸 東京工芸大学, 工学部, 教授 (80203537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 利文 東京工芸大学, 工学部, 教授 (00308339)
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Keywords | 無機EL / 有機色素 / ハイブリッド / 高演色性 / 色変換 / プリンタブルエレクトロニクス / 白色 / 平均演色評価数 |
Research Abstract |
分散型無機ELは、通常ZnS等を代表とする粉末を高誘電性ポリマーなどのバインダと一緒に混合し、ペーストを作製した後、スクリーン印刷法等を用いて発光素子を作製できるため、簡便で大面積化が可能といった優れた特徴を有している。この、ZnS系の無機材料の発光色は、青、青緑を中心としたものがほとんどで、スペクトルが長波長側の赤や、照明に適した可視領域全体にブロードなスペクトルを有する発光は得られ難いのが現状であった。申請者らは、これらの発光機構を検討した結果、無機蛍光体からの発光によって、有機色素が光励起され発光に至る、いわゆる色変換によって主になされていることが分かった。これらは、励起光側であるZnSの発光スペクトルと、有機色素の吸収スペクトルのオーバーラップによって、基本的にマッチングが決まって来るが、これらの混合比や、2つの色素を入れた場合など、様々な組み合わせ、混合比率の検討が必要である。本研究では、上記の励起側の発光スペクトルと発光側の吸収スペクトルの重なりだけでなく、発光側に用いる蛍光量子収率を併せて材料選択を行った。上記の材料選択の指針を元に、申請者らは、これらの材料(無機発光材料とバインダ(誘電体))に、有機色素を適切な量加えることで、今まで簡単に得ることが出来なかった赤や白の発光色を得られることを示した。さらに、2つの有機色素を適切に加えることで、白色照明における、白色の指標(基準太陽光との一致度の指標)である、平均演色評価数Ra=89を再現よく示した。 以上のように、印刷プロセスで作製できる従来の分散型ELの蛍光層に有機色素をドーピングした有機色素分散型ELは、従来の分散型ELと同様の印刷プロセスで作製できる素子であり、またこれまでの欠点である輝度と演色性の低さを改善した素子である。これによって、申請者らは高付加価値面光源素子としてのポテンシャルを示した。
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Research Products
(17 results)