2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560360
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 弘 北里大学, 一般教育部, 教授 (50525384)
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Keywords | UTC-PD / ショットキーバリアダイオード / サーキュレーター / テラヘルツ / モジュール |
Research Abstract |
本研究の目的である、小型・軽量なテラヘルツ波発生・検出モジュールの開発を進め、以下の成果を得た。 (1)テラヘルツ帯サーキュレーター 前年度得られた素子の評価結果を元に、電磁界解析を用いて再度サーキュレーターの回路設計を行った結果、共振周波数を約10%向上させると同時にアイソレーションとして20dB以上が得られる素子パタンを明らかにした。そしてこの設計結果を元に改良版素子の試作を行った。 (2)導波管入力型SBD 前年度試作したSBDを導波管入力モジュールに実装して特性評価を行った結果、SBDモジュールは約230GHzに感度のピークを持っことがわかった。また実験結果の解析から、ピーク周波数がSBDに内蔵した共振回路の素子パタン及びSBDの帯域特性に支配されていることを明らかにした。これらの結果を元に、ピーク周波数を30%程度向上させた新たな設計のSBDを試作した。なお、今年度作製したSBDモジュールは集積化トランシーバモジュールを評価する際の基準部品として使用した。 (3)導波管入出力型モジュール構成技術 前年度試作したサーキュレーター、SBD、UTC-PD、及び筐体部材を用い、全ての部材を実装した形態の単一導波管入出力型電磁波発生・検出モジュールを作製し、周波数270GHzにおいて連続波を用いたトランシーバの動作を世界で初めて実現した。また、試作したモジュールの詳細な特性評価から、サーキュレーターのアイソレーションとして約14.3dBと良好な値を得た。さらに、サーキュレーターの各ポート間の損失や分岐比、集積化した状態のSBDやUTC-PDの特性などの基本性能を明らかにし、個別素子の評価結果との比較からトランシーバモジュールとしての特性改良指針を明らかにした。
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