2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560425
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷藤 忠敏 北見工業大学, 工学部, 教授 (50311527)
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Keywords | fNIRS / FDTD法 / 解析時間 / 境界条件 / 時間領域拡散光トモグラフィ / 光拡散方程式 / ヒト脳機能解析 |
Research Abstract |
fNIRS(functional Near Infrared Spectroscopy)を用いてヒト脳活動を非侵襲でモニタするためには、ヒト脳光パルス伝搬理論を構築する必要がある。平成23年度は、前年度まで構築してきたFDTD法を用いたヒト頭部光パルス伝搬解析法をfNIRSに適用する際に不可欠な、解析時間の短縮及びYee格子によるヒト脳の離散化について検討し、以下の成果を得た。 1.ヒト頭部のFDTD法による光パルス伝搬解析時間の短縮 2009年から行ってきた以下の(1)-(3)の検討を3次元ヒト頭部光パルス伝搬解析に応用した。 (1)新境界条件の適用・・散乱体と非散乱体境界で新境界条件を適用することにより、Δzを0.5mmから1mmに拡大可能とし、計算時間を1/32に短縮可能とした。 (2)視野角の統合・・△z=lmmの解析において、視野角を9個統合することにより、後方散乱光強度と平均遅延時間の誤差を1%以下に抑え、解析時間を1/6以下に短縮した。これと、前項(1)と組み合わせることにより当初に比べ、解析時間を1/192以下に抑圧可能とし、120×100x40mm^3の領域の3次元解析を30分に短縮可能とした。 (3)グリッド分散の抑圧・・FDTD解析の全ての時間スロットの1/4をΔz=1mmで計算し、それ以降をΔz=2mmで解析することにより、後方散乱光強度及び平均遅延時間の誤差を7%及び1%以下に抑え、解析時間を1/3以下に短縮可能とした。これと、前項(1)、(2)を組み合わせると当初に比べ、解析時間を1/576以下に短縮可能とした。 以上の(1)-(3)全てを取り込んだ解析を行い、8程度の並列計算を行うことにより、3次元ヒト頭部の光パルス伝搬解析時間を100秒程度に短縮可能なFDTD解析法の基盤技術を構築した。 2.ヒト脳のYee格子による離散化誤差の検討 ヒト脳表面の脳溝の幅と深さ、等の離散化単位と光パルス波形精度の関係を調べ、許容される離散化誤差を検討した。その結果、脳溝の幅が1mm変化すると光パルス波形に影響があり、平均化等の工夫が必要なことが判明した。
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Research Products
(7 results)