2011 Fiscal Year Annual Research Report
再生可能エネルギーの利用を促進する社会経済システムの研究
Project/Area Number |
21560427
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
山本 芳弘 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (20419435)
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Keywords | 住宅用太陽光発電 / 余剰電力 / FIT / 補助金 / バイオマス / 官民協働 / 再生可能エネルギー |
Research Abstract |
今年度は本研究計画の最終年度であることから、住宅用太陽光発電の普及策に関する研究の仕上げと今後の展開への準備、並びにバイオマス利活用研究に関する総括を行った。 住宅用太陽光発電の普及策に関しては、昨年度までのモデルを発展させた。太陽光発電の余剰電力もしくは発電量と消費量の差を買い取る方式では家計に節電するインセンティブが生じるが、全発電量を買い取る方式ではそのようなインセンティブは生じない点を新たにモデル化した。買い取り方式間での社会厚生の違いは節電量の大きさに依存し、節電量が大きくなると余剰電力もしくは差を買い取る方式では電気料金への上乗せ額が大きくなる可能性があるという重要な結果を得た。この成果をSolar Energy誌に投稿し、「少しの修正で掲載可能」という査読結果を受け現在修正中である。 また、補助金の役割についても、昨年度までの研究を発展させた。まず、これまでの研究成果を世界再生可能エネルギー会議で発表し議論した。そして、新たに、家計の予算制約を考えない、分析が容易なモデルを考案した。社会厚生を最大にするにはある定額で太陽光発電を買い取り、補助金で普及規模を調整すべきである、また、発電量を最大にするには補助金は導入すべきでないという興味深い結果を得た。これは、2012年6月のエネルギー・資源学会で発表することが決定している。 今後の展開として、再生可能エネルギー普及への応用可能性を考えて、ネットワーク科学に関する文献調査も行った。この研究には、来年度から新たな科研費補助金の支援が受けられることが内定している。 バイオマス利活用に関しては、これまでの研究成果を総括した。PFIのような民間による公共サービス供給がバイオマス利活用事業にも適用可能かどうかは、バイオマスの種類や技術等に依存するとの結論を得た。今後は、事例研究を通してより詳細な適用条件を求める必要がある。
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Research Products
(2 results)