2010 Fiscal Year Annual Research Report
位相拡散フーリエ法を利用したMRIの新しい信号収集法と画像再構成法の研究
Project/Area Number |
21560438
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
伊藤 聡志 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (80261816)
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Keywords | 磁気共鳴映像法 / サンプリング定理 / 高速映像法 / 再構成 / 折り返しアーティファクト / 画像 |
Research Abstract |
本研究は,医用画像診断としてますます価値を高めつつあるMRIにおいて新たな画像再構成法に関する検討を行うものである.汎用法であるフーリエ変換法に位相変調パルスを追加した位相拡散フーリエ法の信号は,被写体のフーリエ変換空間に位置すると同時に被写体の置かれる物体空間にあるとみなせる.これにより,従来までの画像再構成処理に比べて,大幅に柔軟性の増した処理が期待できる. [1]単一信号による仮想的パラレルイメージングおける画質改善 位相拡散フーリエ法の信号空間が一種の画像空間とみなせる性質を利用し,信号振幅に対し重みを適用すると,見かけ上,複数の信号を作成することができ,パラレルイメージングの原理による高速撮像法を実現できる.本年度は,この方法で得られる再生像の画質改善について検討を行った.重み関数を最適化することにより,再生像の分解能を大幅に向上させることに成功した.また,この改善法では,位相拡散フーリエ法の位相拡散量を決めるパラメータの最適値が小さくなり,より実用に向いた方法となることが明らかになった. [2]エイリアスレス画像再構成の応用 MRIエイリアスレス再構成では,標本化定理を満足しない少数の信号であっても殆ど折り返しを生じない画像を再生できる.しかし,僅かに偽像が残る場合があった.この残留する偽像は,画像の高周波成分であり,我々が提案するFREBAS変換という多重解像度解析を利用すると分離可能である.そこで,FREBAS変換空間における偽像除去について検討を行った.その結果,殆どの偽像を除去することに成功し,再生像の画質を改善することができた.
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Research Products
(16 results)