2009 Fiscal Year Annual Research Report
過酷荷重環境下におけるHPFRCC構造物の耐久性に関する実験と解析手法の構築
Project/Area Number |
21560493
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 高志 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40301121)
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Keywords | 繊維補強セメント複合材料 / 複数微細ひび割れ / HPFRCC / ECC / 交番疲労 / 水中疲労 / 鋼床版補強 / リンクスラブ |
Research Abstract |
本研究の目的は,過酷荷重環境下でのHPFRCCの材料特性を明らかにし,また,HPFRCC単体及び複合構造物における過酷荷重環境下における負荷状態を明らかにすることで,構造耐久性について検討することにある.本研究での過酷荷重環境とは,温度もしくは交通荷重による交番疲労載荷と水の影響がある環境とする. 本研究においては,研究期間内に,以下の点を達成することを目標とする. ・HPFRCCの交番載荷下での疲労特性の実験的把握と解析手法構築. ・水が存在する状況でのHPFRCCの疲労特性の実験的把握と解析手法構築. ・HPFRCC構造物における温度荷重,交通荷重,水の存在による負荷状態での発生応力の解析的把握. ・上記の知見に基づいたHPFRCC構造物の耐久性の検討. 平成21年度においては下記の成果を得た.まず,HPFRCCの材料特性については,交番疲労と水の影響の一部を検討した. 1.ひずみ振幅を一定とした引張~圧縮の交番疲労載荷を行い,伝達応力の変化(減少)を計測した.引張の片振り疲労載荷の結果と比較して,急速に応力が減少する結果を得た.過去に開発したマイクロメカニクスモデルを本研究で発展適用することにより,HPFRCCの材料特性を微視的な材料定数によって把握するモデルを開発した. 2.水の影響については,マイクロメカニクスモデルを用いることで,水が微視的材料定数を通して,HPFRCCの複数微細ひび割れ条件に及ぼす可能性を把握した. 次に,構造物における負荷状態について解析的に検討した. 1.交通荷重による負荷を検討するため,鋼床版の疲労対策としてHPFRCCで補強した構造物を想定して,解析モデルの構築を行った.また,橋梁桁間に適用が検討されているHPFRCCリンクスラブについてもモデルの構築を行った.それぞれにおいて交通荷重の作用の下で,HPFRCC層にかかる負荷状態を把握した.
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