2010 Fiscal Year Annual Research Report
大気環境予測プログラムと連動した鋼橋への付着塩分予測法の開発
Project/Area Number |
21560500
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小畑 誠 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30194624)
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Keywords | 維持管理 / 腐食環境 / 飛来塩分 / 気象解析 |
Research Abstract |
前年度に引き続き各要素モデルの開発と改良をとりおこなう.そしてこれらの成果をもとに大域環境モデルの結果を局所解析の初期境界条件として統合化された数値解析を行う.付着塩分に対する影響因子は飛来塩分濃度だけでなく風速のゆらぎにもあることがわかっている.特に風速のゆらぎについて大域環境モデルの結果からこの因子をどのように導入するかが問題となる.この点については,いくつかの代表的なゆらぎについて計算を行いパラメトリック計算を行い検討した.その結果考えられる範囲の変動ではその影響は大きくないことがあきらかになった.一方,メソスケール気象解析プログラムを用いた大域解析により,大気中の浮遊塩分量を一定の精度で推定できることがあきらかになった.すこで,数ヶ月間の付着塩分量の推定を行うために局所的な解析結果を一種の基本解と考え,気象解析にもとづく結果を外部入力として積分する方法をとった.この結果とACMセンサによる推定付着塩分量を比較した結果,少なくとも相対的な付着塩分の分布については高い一致をみた.そしてこの手法によれば風向による依存性も推定できるが,単に塩分量の多寡ではなく卓越風の方向も重要になることがあきらかになった.ただし,局所的な解析において浮遊粒子の固体表面への付着条件が必ずしも明確ではないこと,また大域解析において予測される飛来塩分量の精度が間接的にしか検証できないことが問題として残る.また,飛来塩分量の推定については海面からの粒子の発生についてはもう少し検討が必要である.
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