2009 Fiscal Year Annual Research Report
地震による送電鉄塔基礎の不等変位の高精度地盤解析による予測と鉄塔余耐力の評価
Project/Area Number |
21560516
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 清宏 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (50168126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 優樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80324010)
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Keywords | 地盤と構造物 / 送電鉄塔基礎 |
Research Abstract |
本研究では,地盤変形による送電鉄塔基礎の不等変位とそれに伴う鉄塔の損傷の評価を行うことを目的とする.地盤-基礎-鉄塔連成系の三次元挙動を高精度に評価できる数値解析システムを開発し,基礎周辺地盤の変形性能を明らかにする.研究の初年度にあたり,下記の研究項目(i)~(iii)を実施した. 研究項目(i):地震による送電施設の被害と鉄塔・基礎の破壊状況に関する情報収集,2007年7月の新潟県中越沖地震による長岡・柏崎・米山地域での鉄塔・基礎の被害状況に関する現地調査や既往の文献調査に基づき,代表的な基礎周辺地盤の破壊形態を抽出した.これまでの現地調査で観察された,地盤破壊に対する4基の鉄塔基礎による拘束効果や,基礎施工時の掘削・埋戻しによる原地盤の強度低下の影響の定量評価も重要課題とした. 研究項目(ii):地盤変形の高精度予測のための高度な構成モデルの数値実装.本研究で地盤の変形解析に用いる陰解法有限要素法に基づく弾塑性有限変形解析手法は,研究代表者・分担者らが長年に渡り開発を進めてきたものである.一般に鉄塔は多数の細長部材で構成され,脚部基礎の微小な変位によっても著しく座屈耐荷力が低下する鋭敏な構造である.このため,地震による地盤変形を高精度に評価することが必要となる.そこで,予測精度向上のため,高度な弾塑性構成モデルを導入した.その際,厳しい解析条件でも高精度かつロバストな求解を実現した. 研究項目(iii):数値解析に用いる土質定数の設定法の策定.再現性の高い解析結果を得るためには土質定数の設定が重要である.特に変形予測においては,破壊に関わる定数もさることながら,塑性変形の発展則パラメータや微小変形段階でのせん断剛性等が重要となる.今回の検討対象である柏崎・米山地域の現地土を参照し,パラメトリック・スタディにより構成モデルの応答感度を調べ,解析対象地盤の土質定数を決定した.
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Research Products
(5 results)