2011 Fiscal Year Annual Research Report
地震による送電鉄塔基礎の不等変位の高精度地盤解析による予測と鉄塔余耐力の評価
Project/Area Number |
21560516
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 清宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50168126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 優樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80324010)
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Keywords | 地盤と構造物 / 送電鉄塔基礎 |
Research Abstract |
本研究では,地盤変形による送電鉄塔基礎の不同変位とそれに伴う鉄塔の損傷の評価を行うことを目的とする.そのための数値解析ツールとして地盤-基礎-鉄塔連成系の三次元大変形・弾塑性挙動を高精度に評価できる数値解析システムを開発し,鉄塔の耐荷力,基礎の支持力,ならびに基礎周辺地盤の変形・破壊挙動を明らかにした.研究の最終年度にあたり,具体的には下記の研究項目(i),(ii)を実施するとともに,これまでの2箇年で実施した研究成果と統合し,最終的な研究成果として取りまとめた. 研究項目(i):地盤変状による送電鉄塔基礎の支持力低下挙動の検討.地震等による基礎周辺地盤の変状や土かぶり喪失等を想定した数値解析を行い,地盤変状による逆T型基礎の支持力低下挙動を検討した.その結果,地盤変状の程度と基礎の支持力低下挙動との関係が明らかとなり,地盤変状後の基礎の健全性を合理的・客観的に評価するための基礎的知見を得た. 研究項目(ii):地盤-基礎-鉄塔連成解析による送電鉄塔構造全体系の耐荷力・変形特性の評価.基礎に不同変位が生じたときの地盤-基礎-鉄塔系の三次元大変形・弾塑性解析を行い,地震後における基礎および鉄塔の余耐力評価を行った.具体的には,典型的な地盤変状において想定される様々な方向・大きさの基礎不同変位が発生した状況を想定し,基礎不同変位後の地盤-基礎-鉄塔構造系に対して鉄塔設計で想定される各種の季節荷重が作用する場合に,鉄塔がどの程度の終局耐荷力を保持しているかについて調べた.さらに,基礎不同変位の進展と作用荷重の増加に伴って,鉄塔部材の損傷がどのように進展するか,また,基礎変位がどの程度発生するかについても詳細に検討を行った. 以上の研究成果により,地震後における基礎の健全性と鉄塔の余耐力を迅速かつ合理的に評価・判断するための客観的な判定基準を策定するための基礎となる知見を得た.
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Research Products
(4 results)