2009 Fiscal Year Annual Research Report
二次元蛍光測定法を用いた現地直接測定による河川一次生産性の評価
Project/Area Number |
21560533
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤野 毅 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70282431)
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Keywords | 付着藻類 / クロロフィル励起蛍光 / PAM / CAM / バイオフィルム / 溶存有機物 |
Research Abstract |
植生や藻類の光合成活性を非破壊で調べる方法として、クロロフィルaの励起蛍光を測定する、Pulse Amplitude Modulation(PAM)法が、90年代以降多く利用されている。元来、これはその点で植物が受けている環境ストレスを評価するものである。本研究では、近年開発された、チェコPSI社のHandy Fluor Cam(製品名:FC 1000-H/GFP,GFP測定用をカスタム改良したもの)を用いて、礫に付着した藻類群集の量子収率を測定する。これは、約5cm四方の面を捉える事ができるため、礫に付着した藻類のバイオマスの評価に適用する。さらに、溶存有機物自身の濃度が付着藻類のバイオマス増加に寄与するかどうかの検証も試みた。 埼玉県内を流下する荒川の上・中流地点で対象とする礫を採取した。上流では珪藻類であり、中流では栄養塩の負荷がより高く、糸状藻が繁茂していた。これを実験室に持ち帰り、水を循環させて2日ごとに各地点で表面積50-100cm^2の礫から計測を行い、2週間後にクロロフィルa量を測定した。 量子収率の点と面測定の結果は同じ傾向であり、単位面積あたりの光合成活性度は同じ条件であった。次に、Chl-a現存量との関係を調べたところ、珪藻類および糸状藻類とも、正の相関が見られ、特に珪藻類のほうではその相関係数が0.7程度であった。 また、溶存有機物(DOC)の濃度は1-2mg/Lであるが、リターを投入して濃度を6-7mg/L程度に高くして同様の測定を行った場合、量子収率が5~10%増加した。今後は、礫のバイオフィルムの形成に寄与するバクテリアの役割について検討する。
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Research Products
(5 results)