2009 Fiscal Year Annual Research Report
昭和56年以前の木造住宅を対象とした居住者体験型簡易耐震診断法に関する研究
Project/Area Number |
21560605
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
今岡 克也 Toyota National College of Technology, 建築学科, 教授 (20193667)
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Keywords | 耐震診断 / 木造住宅 / 水平起振実験 / 固有振動数 / ねじれ振動 / 人力起振実験 / 共振加振 / 耐震補強 |
Research Abstract |
豊田市役所建築相談課の協力を得て,昭和56年以前に建てられた木造2階建住宅に住んでいて,豊田市が無料で実施している耐震診断を受けて「危険性が高い」と評価されにもかかわらず,まだ耐震補強を行っていない122棟の居住者を対象にして,アンケート調査を実施した。その中で,水平起振実験を希望すると回答して返信してきたものが23通あり,後日その方々と連絡をとって日程を調整して,代表者とアルバイト学生2人~3人が機材を載せた自家用車で住宅まで出向いて,人力起振実験と水平起振実験を行った。実験は主に2階の一部屋で行い,はじめに人力起振実験で住宅の固有振動数を測定し,次に水平加振器を用いて固有振動数で加振実験を行い,場所ごとの振幅を測定した。その際に,居住者の方にも揺れを体験していただき,(1)どちらの方向が揺れ易いのか,(2)どの場所が一番大きく揺れるのか,などを分かってもらった。その上で代表者が居住者に,耐震診断の数値や1階壁配置図面などを用いて実験結果を解説して,住宅の耐震補強の必要性や適切な補強場所や方法について説明した。実験後に,平成21年度に実施した23棟の実験結果を固有振動数やねじれ振幅比で整理して,住宅の各方向の耐震診断の壁量充足率や偏心率との関係を求めた。その結果,人力起振実験による固有振動数は壁量充足率との正の相関が見られることが分かった。また,水平起振実験によるねじれ振幅比についても,従来は絶対値で評価されている偏心率をどちら側に偏っているかを正負で示すことによって,偏心率と良い正の相関が得られることが判明した。
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Research Products
(1 results)