2009 Fiscal Year Annual Research Report
土地利用形態変化に伴う地域気候変動に配慮した地域・建築計画指針に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21560660
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 健次 Toyota National College of Technology, 建築学科, 准教授 (60259877)
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Keywords | 微気候 / 土地利用形態 / 微気候変動 / 気象観測 |
Research Abstract |
多様な都市開発に対応できる計画指針確立のため、土地開発の影響により生じる周辺環境の変容過程を明らかにするとともに、用地造成のプロセスを追って周辺の微気候変動を実証的に把握することを目的として長期的実測調査を開始した。対象とする造成事業は、約5年間の用地造成工事を予定し、造成着工3年目から施設建設に着工、完成した部分から順次供用を開始し、全面的な完成までは造成工事着工から約11年を予定している。従って、気候変動の観測は、長期的かつ継続的に実施していく必要があるため、本研究は15年以上にわたる長期的な観測を想定してしいる。平成21年度は、着工前の実態を捉えることが、その後の周辺気候に対する影響分析において極めて重要であることから、土地造成開始前である里山及び農地の状態の地域の熱環境形成の実態を明らかにすることを目的に気候観測を実施した。観測の方法は、定点観測と移動観測を基本とする。具体的には、定点観測は、造成予定地を取り囲むように10箇所程度の観測点を設定し、可動型の気象観測システムにより、気温・湿度・風向・風速・降雨量・日射量などを30分間隔で連続観測した。移動観測は、り造成予定地を周回する主要道路及び予定地内を横断する主要道路を網羅した5ルートを設定し、夏季及び冬季におげる典型的な季節日を対象に、日の出前、日中日没後の気温・湿度・風向・風速に関して観測を実施した。 その結果、造成予定地の半分以上を含む東部において低温地域が形成されていることが確認され、今後計画通りの造成及び施設建設がなされた場合、里山や山林が研究用テストコースやRC造の建物等に替わることで、これまでとは逆にこの東部地域が蓄熱・排熱源となることが示唆された。
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Research Products
(1 results)